仮想通貨の税制

仮想通貨で利益を出した場合、その額に応じた税金を支払わなければなりません。

国税庁のHPより、令和元年12月に仮想通貨に関する税務上の取扱い及び計算書について、更新されましたので、これを参考にして説明します。

そこでダウンロードできるPDF「仮想通貨に関する税務上の取扱いについて(情報)(令和元年12月20日)」にいろいろ詳しく書いていますが、利益を出す、というのが少し複雑なので、まずそこら辺から説明します。

仮想通貨において課税対象となる行為は以下の通りです。

  1. 仮想通貨の売却
  2. 仮想通貨で商品を購入
  3. 仮想通貨同士の取引
  4. マイニング

1. 仮想通貨の売却

これは持っている仮想通貨を売ることで利益をあげると、その部分が課税対象になります。これは一番イメージしやすいと思います。

簡単な例では、上記文書では、

・4/2に2百万円で4BTCを購入

・4/20に0.2BTCを11万円で売却

の取引においての所得金額(利益)は、

譲渡価額 : 11万円 - [1BTC当りの価額 : 2百万円/4BTC] × [売却数量 : 0.2BTC] = 所得金額 : 1万円

と計算されます。

[1BTC当りの価額]と[売却数量]の積を譲渡原価といいます。簡単に言えば仕入原価あたりの消費量です。仕入減価は[1BTC当りの価額]です。なお4BTC購入時に手数料が発生すると、その金額を含みます。

例えば手数料が2万円なら、1BTC当りの価額を計算するときは、2百2万円を4BTCで割ります。

仮想通貨は購入するタイミングで金額が変わります。持っている仮想通貨一つひとつに購入時の値段を記録するのは大変です。

そこで保有する仮想通貨の価値を計算する方法には、総平均法と移動平均法の二つの方法があります。

仮想通貨売却益を計算するときは、これらの方法のうち一つを使います。

2. 仮想通貨で商品を購入

通貨で物を買って支払う税金は消費税じゃないの?だったら10%じゃん。と思うかもしれません。

仮想通貨による商品の購入時、また他の仮想通貨の交換時には、消費税は課税されません。これは仮想通貨を購入した段階で消費税を支払っており、その仮想通貨で商品購入時に消費税を支払うと二重課税になるからです。

仮想通貨で商品を購入する際、自分の保有している仮想通貨の譲渡原価を計算します。

そして購入する商品の価格より譲渡原価が少なければ、その差額分は課税対象になります。

例えば、

4/2に2百万円で4BTCを購入し、10/5に25万3千円の商品を購入し、支払決済に0.3BTCを支払った。商品購入時のBTCレートは1BTC = 85万円であった。

このときの所得金額は、

商品価額 : 25万3千円 – [1BTC当りの価額 : 2百万円/4BTC] × [支払い数量 : 0.3BTC] = 所得金額 : 10万3千円

となります。

3. 仮想通貨同士の取引

これも面倒です。しかし仮想通貨で商品を購入した場合と同様で、基本は原価を計算して差額を求めるだけです。

どういう例があるかというと、BTC建てのコインを購入する場合が該当します。

4/2に2百万円で4BTCを購入。11/2にリップルを20XRP購入し、その決済で1BTC支払った。当時の交換レートは1XRP = 3万円であった。

この場合の所得金額は、

リップルの購入金額 = 3万円 × 20XRP = 60万円

譲渡原価 = 1BTC当りの価額 : 2百万円/4BTC × 支払数量 : 1BTC = 50万円

所得金額 = 60万円 - 50万円 = 10万円

となります。リップルの購入金額は、等価交換なのでBTCの譲渡価額になります。

4. マイニング

もともと保有していないものを無償で手に入れているのですから、増えた分すべてが課税対象となります。もちろんマイニングに要した費用、例えば電気代等は必要経費として相殺できます。

いつからの取引を申告対象とすべきか

仮想通貨に関する税務上の取扱いについて(情報)(令和元年12月20日) では、「原則として売却等をした仮想通貨の引渡しがあった日の属する年分」とあるので、1月1日から12月31日までの期間の取引が申告対象となります。

そして確定申告の期限は原則として、翌年の3月15日とされています。

その際に、初めて仮想通貨を取得した年分の、所得税の仮想通貨の評価方法の届出書、を提出することになっています。

また前年から保有している場合においても、提出が必要です。

もし届け出がない場合は、総平均法で計算されます。

この届出書の通り、各通貨毎に評価方法を自分で決めるようになっています。

また一度提出した評価方法の届出書の変更をしたい場合、例えば総平均法で計算していたが、後で計算しなおすと移動平均法の方が税金が低いことが分かったから等で変更したい場合、3月15日までなら変更承認申告書を提出することができます。

また具体的な取引量を申告するために、仮想通貨の計算書(×××法用)を使うことが推奨されています。

国税庁のHPよりダウンロードできます。

仮想通貨に係る税金の種類

仮想通貨で得た利益は、所得税の雑所得区分と住民税の課税対象となります。

  • 所得税(雑所得)
  • 住民税

所得税は、利益が20万円以下の場合だと、申告する必要はないことは結構知ってる人は多いと思います。

しかし住民税は20万円以下の利益でも、少しでも雑所得がある場合は申告しなければ脱税となります。

まず所得税についてですが、仮想通貨での利益は所得税の雑所得の区分となるので総合課税になります。これは給与所得に合算されて課税される仕組みです。

その合算された所得金額に応じて税率が決まります。

課税される所得価額のレンジ税率控除額
195万円以下5%0円
195万円超330万円以下10%97500円
330万円超695万円以下20%427500円
695万円超900万円以下23%636000円
900万円超1800万円以下33%1536000円
1800万円超4000万円以下40%2796000円
4000万円超45%4796000円

この表で注意したいのは、税率はその金額の幅だけにかかるものであるという点です。

例えば、仮想通貨の利益と給与の所得の合計が1500万円だったとします。

900万超1800万以下なので1500万全部に税率33%を適用するわけではありません。

1500万円のうち、195万円以下の部分は5%、195万円超330万円以下の部分は10%、330万円超695万円以下の部分は20%、695万円超900万円以下の部分は23%です。そして900万円超の1500万円までの600万円の部分については33%となります。

控除額の意味は、1500万円の所得で40%の税率で収めた場合の金額から上記の方法で計算される所得税がどれだけ控除されているのかを示しています。

住民税の計算

住民税の計算は、各地方自治体によって定められているのですが、課税所得に対して税率は平均して10%です。

住民税は控除するための手段がたくさんあります。例えば医療保険等に加入することで得られる生命保険料控除やふるさと納税です。

節税のために情報収集を年初からやっておくといいでしょう。